子どもを連れて温泉に行くと、ほぼ確実にぶつかる壁があります。「家族がバラバラになる」という壁です。男湯と女湯に分かれた瞬間、赤ちゃんはどちらかの親が一人で洗うことになり、上の子がいれば片方の親に2人ぶん乗りかかります。せっかくの温泉なのに、湯に浸かる時間より着替えさせている時間のほうが長い、ということが起きます。
この問題を根本から回避する方法は2つしかありません。貸切風呂を取るか、家族全員で一緒に入れる湯があるかです。北海道・層雲峡温泉の「層雲峡観光ホテル」が持っているのは、後者です。
公式サイトによると、峡谷大露天風呂「宇旅璃(うたり)」は湯衣を着て入る男女混浴で、湯衣は各脱衣所に用意があり、子ども用のサイズもあるとされています。つまり、家族が分かれずに一緒に入れる湯があるということです。
この記事では、その宇旅璃を軸に、公式サイトに書かれている設備とルールを子連れ視点で整理します。あわせて、この宿にはっきり「ない」と書かれているものも隠さず挙げます。あるものより、ないものを先に知っておいたほうが失敗しません。
なお、料金や設備は改定されることがあります。予約前には必ず公式サイトでご確認ください。
この記事で分かること
- 混浴大露天風呂「宇旅璃」の利用時間と湯衣のルール
- 大浴場・露天風呂の構成と入浴できる時間帯
- この宿に「ない」もの(貸切風呂・家族風呂・客室の温泉・ペット同伴)
- ベビーベッドが置かれている場所と、貸出備品の実際の中身
- 冬期の送迎バスの発着時刻と予約条件
- 公式サイトに記載がなく、予約時に確認したほうがよい項目
まず前提:大雪山の峡谷にある温泉街の一軒
公式サイトによると、住所は〒078-1797 北海道上川郡上川町層雲峡温泉です。
層雲峡は、大雪山国立公園のなかを石狩川が削ってできた峡谷沿いの温泉地です。旭川と北見のあいだ、内陸のかなり奥まった場所にあります。札幌からも旭川からも、着いてから「ちょっとコンビニへ」という距離感ではありません。子連れなら、おむつ・ミルク・常備薬は旭川あたりで補充しておくのが安全です。
チェックインは15:00、チェックアウトは10:00と公式サイトのよくある質問に記載されています。滞在は19時間ほど。移動距離が長いぶん、宿での時間は意外と短いという前提で予定を組んだほうがよいでしょう。
表示は選んだ日程・人数での滞在合計(最安)です(税込・各社の表示基準)。 楽天トラベルは1泊ずつの最安を合計しているため、1つのプランで通して予約した場合の金額とは異なることがあります。 子どもの料金は年齢帯(未就学児は食事・布団の要不要、小学生は学年)で大きく変わるため、 上で選んだ内訳をもとに計算しています。Agoda は区分ごとの代表年齢で計算した目安です。 実際の年齢や宿・プランの扱いによって金額が変わることがあるため、最終的な金額はリンク先でご確認ください。 料金と空室はリンク先の表示が最新です。
子連れで確認したい5つのポイント
① 宇旅璃は「湯衣着用の混浴」。子ども用の湯衣もある
公式サイトの温泉ページによると、峡谷大露天風呂「宇旅璃」は約200坪の敷地に約100坪におよぶ岩造りの露天風呂で、「湯衣着用で男女混浴となっておりますので、ご家族皆様で温泉をお楽しみいただけます。湯衣は各脱衣所にご用意しており、お子様用の湯衣もございます」と記載されています。
混浴と聞くと身構える人もいますが、湯衣着用が前提なら性質が変わります。水着で入る温泉プールに近い運用です。子ども用サイズが用意されていると明記されている点も重要で、これは「家族で入ることを想定して設計されている」というサインです。
利用時間は公式サイトによると15:00〜23:00と、翌朝6:00〜9:00。夕方の到着直後と、朝食前の2回にチャンスがあります。子連れなら、まだ機嫌のよい朝のほうが落ち着いて入れることが多いはずです。
② 貸切風呂・家族風呂は「ない」と明記されている
公式サイトのよくある質問には「当館には家族風呂、貸切風呂はございません」と明記されています。
これは子連れにとって、はっきり不利な条件です。宇旅璃は湯衣で家族一緒に入れますが、逆に言えば「家族だけの空間」ではありません。人目を気にせず赤ちゃんを洗いたい、という使い方はできないということです。
加えて、公式サイトのよくある質問には「客室の水、お湯は上下水道から供給されているもので温泉ではございません」とも書かれています。客室の浴室は温泉ではないため、「部屋のお風呂で済ませて温泉気分」という逃げ道も用意されていません。ここは予約前に理解しておくべき点です。
③ ベビーベッドは客室ではなく脱衣所にある
公式サイトのよくある質問によると、ベビーベッドは客室には用意がなく、大浴場の脱衣所に各1台設置されているとされています。
これは実は理にかなった配置です。脱衣所のベビーベッドは、湯上がりに赤ちゃんを寝かせて服を着せるための台として使うもので、寝かしつけ用ではありません。とはいえ「客室にベビーベッドがある」と思って予約すると、寝床の計画が崩れます。0歳児の寝る場所は、和室に布団を敷くのか、大人のベッドで添い寝するのかを先に決めておく必要があります。
貸出備品として公式サイトに挙げられているのは「ズボンプレッサー、アイロン、アイスノン、体温計、毛布」です。体温計があるのは子連れには心強い一方、ベビーバスや補助便座、踏み台といった赤ちゃん向けの品目は、確認したページには挙がっていませんでした。必要なものは持参する前提で荷造りしたほうが安全です。
④ 大浴場は温度違いの湯船が選べる
公式サイトの温泉ページによると、大浴場は「星嶺(せいれい)」と「月の雫(つきのしずく)」の2つ。星嶺は「開放的な大きな窓がある大浴場。温度違いの3つの湯船を楽しめます」、月の雫は「広々とした空間に、それぞれ温度の違う湯船」と説明されています。露天風呂「昴(すばる)」も別にあります。
温度違いの湯船があるかどうかは、子連れには地味に大きい要素です。小さい子は42℃の湯に長く入れません。ぬるめの湯船があれば、親が体を温めるあいだ子どもを同じ湯に入れておけます。この宿は両方の大浴場に温度差のある浴槽があると書かれているので、その点では選択肢があります。
泉質は単純硫黄泉・単純泉・炭酸水素塩泉の混合泉とされています。入浴できる時間帯は、大浴場・露天風呂ともに昼12時台から翌朝9時半ごろまでの長い設定で、深夜帯に清掃や男女入れ替えの時間が挟まります。細かい時刻はページによって表記が異なるため、当日フロントで確認するのが確実です。
⑤ 日帰り入浴を受け入れている
公式サイトのよくある質問には、日帰り入浴について客室利用付きで1人2,000円という案内があります。
日帰り客を受け入れている宿は、時間帯によって浴場が混みます。子連れで落ち着いて入りたいなら、日帰り利用が引ける夜遅めか、翌朝を狙うのが現実的です。
同じ北海道の宿でも、日帰り客の多さが滞在の印象を左右することがあります。登別グランドホテルに夫婦で泊まったときの様子は別記事にまとめています。

客室とアクセス
公式サイトによると、客室は本館「彩花」と別館「四季」に分かれています。本館は和室・和洋室・洋室を用意し、別館は「贅を尽くした純和風高級別館」で各部屋に石庭を備えるとされています。子連れなら、布団を敷ける和室・和洋室を選ぶほうが寝床の自由度は高くなります。
禁煙については、公式サイトのよくある質問に「別館四季は全室禁煙、本館彩花は禁煙・喫煙ルーム有」と記載があります。子連れなら禁煙ルームの指定を忘れないでください。
| 手段 | 公式サイトの記載 |
|---|---|
| 車(札幌から) | 道央自動車道で約1時間40分、上川層雲峡ICより一般道で約20分 |
| 車(旭川から) | 旭川紋別自動車道で約20分、上川層雲峡ICから約20分 |
| 電車(旭川駅から) | 石北線 上川駅まで約40分、そこからバスで約35分 |
| 飛行機 | 旭川空港から車で約1時間30分 |
| 駐車場 | 普通自動車80台収容・無料(満車時は玄関前で預かり) |
送迎バスは、公式サイトによると11月〜4月に毎日1往復。往路は14:00に旭川ステーションを発ってホテル着15:30、復路は10:00にホテルを出て旭川ステーション着11:30です。宿泊日の3日前までに電話予約が必要とされています。
子連れで公共交通を使うなら、この冬期送迎バスの存在は大きいはずです。上川駅からバスに乗り継ぐ経路は、ベビーカーと荷物を抱えていると乗り換えが1回増えるだけで負担が跳ね上がります。逆に5月〜10月は送迎がないので、その時期はレンタカーを前提に考えたほうが現実的です。
子連れで層雲峡に泊まるときの段取り
層雲峡は市街地から離れた山間の温泉地です。そのため、宿の設備そのものより「途中で買い足せない」ことのほうが効いてきます。おむつ、おしりふき、ミルク、離乳食、常備薬は、旭川か上川の市街地で必要量に予備を足して積んでおくのが基本です。特におむつは、移動が長引くと想定より消費します。
入浴の順番も先に決めておくとラクです。この宿は貸切風呂がないので、家族一緒に入るなら宇旅璃、それ以外は男女別の大浴場という二択になります。到着後すぐは夕食の時間に追われがちなので、宇旅璃は朝に回し、夕方は大浴場で手早く済ませる、という組み立てのほうが破綻しにくいはずです。
冬に行くなら、湯上がりの寒暖差にも気を配ってください。露天から上がって外気に触れる時間が長いと、小さい子はすぐ体が冷えます。バスタオルとは別に、羽織るものを脱衣所まで持っていくだけで違います。体調に不安があるときは無理に入れず、気になる症状があれば早めに小児科を受診してください。
そして冬期は道路状況も読めません。送迎バスは1日1本しかないので、往路の飛行機や特急が遅れた場合の代替手段(上川駅からの路線バス、タクシー)を頭に入れておくと安心です。
予約前に確認しておきたいこと
公式サイトを読んでも判断できなかった項目です。子連れの可否に直結するものだけ挙げます。
- おむつが取れていない子が大浴場・宇旅璃に入れるか
- 年齢ごとの子ども料金と、添い寝が何歳まで無料か
- 離乳食の提供・持ち込み・温めに対応してもらえるか
- ベビーチェアや子ども用食器が食事会場にあるか
- 「初めての温泉デビュー」プランに付く子ども向け備品の中身
最後の項目について補足すると、公式サイトには「【初めての温泉デビュー♪】<ママも安心のお子様向け備品付>」という趣旨のプランが掲載されています。備品の中身が明記されていないため、何が付くのかは予約時に確認してください。ここが分かれば、持ち物を大きく減らせる可能性があります。
よくある質問
Q. 家族全員で一緒にお風呂に入れますか?
峡谷大露天風呂「宇旅璃」なら入れます。公式サイトによると湯衣着用の男女混浴で、湯衣は各脱衣所に用意があり、子ども用サイズもあるとされています。利用時間は15:00〜23:00と翌朝6:00〜9:00です。
Q. 貸切風呂はありますか?
ありません。公式サイトのよくある質問に「当館には家族風呂、貸切風呂はございません」と明記されています。家族だけの空間で入浴したい場合、この宿では選択肢がないことになります。
Q. 客室のお風呂は温泉ですか?
温泉ではありません。公式サイトのよくある質問に「客室の水、お湯は上下水道から供給されているもので温泉ではございません」と記載されています。
Q. ベビーベッドは借りられますか?
公式サイトのよくある質問によると、客室への用意はなく、大浴場の脱衣所に各1台設置されています。湯上がりの着替え用と考えたほうがよく、客室の寝床は別途計画が必要です。
Q. 貸してもらえる備品には何がありますか?
公式サイトには「ズボンプレッサー、アイロン、アイスノン、体温計、毛布」が挙げられています。ベビーバスや補助便座など赤ちゃん向けの品目は、確認したページには記載が見当たりませんでした。
Q. ペットと一緒に泊まれますか?
泊まれません。公式サイトのよくある質問でペットの宿泊は不可とされています。
Q. 駅からの送迎はありますか?
公式サイトによると、11月〜4月に旭川ステーションとのあいだで1日1往復の送迎バスが運行しています。往路14:00発・ホテル着15:30、復路ホテル10:00発・11:30着で、3日前までの電話予約が必要です。5月〜10月の記載はないため、その時期は車での移動を前提に考えてください。
Q. 日帰り入浴はできますか?
公式サイトのよくある質問に、客室利用付きで1人2,000円という案内があります。宿泊者側から見ると、日帰り客が入る時間帯は浴場が混みやすいということでもあります。
まとめ:家族一緒に入れる湯がある代わりに、貸切はない
- 峡谷大露天風呂「宇旅璃」は湯衣着用の混浴。子ども用湯衣あり、15:00〜23:00と朝6:00〜9:00
- 貸切風呂・家族風呂はない。客室の湯も温泉ではない
- ベビーベッドは客室になく、大浴場の脱衣所に各1台
- 貸出備品にベビー用品は挙がっていない。持参前提で荷造りする
- 送迎バスは11月〜4月のみ・1日1往復・3日前までの予約制
- おむつが取れていない子の入浴可否と子ども料金は、予約時の確認が必要
この宿を子連れで選ぶ理由は、はっきりしています。家族が分かれずに一緒に入れる大露天風呂があることです。湯衣が用意されていて子ども用サイズまであるということは、それを前提に運営しているということでもあります。
ただし、その代わりに貸切風呂はありません。人目を避けたい月齢、たとえば湯船で泣いてしまう時期の赤ちゃんを連れて行く場合、この宿の構成は必ずしも噛み合いません。宇旅璃で家族一緒に入れることに価値を感じるかどうかが、そのまま向き不向きの分かれ目になります。
移動距離も判断材料です。旭川からでも車で1時間前後、冬に公共交通で行くなら送迎バス1日1本に合わせることになります。層雲峡まで足を延ばす価値があるかは、旅程全体で考えたほうがよいでしょう。
料金・設備は改定されることがあるため、予約前には必ず公式サイトと施設への直接確認をお願いします。
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北海道でもう少し札幌寄りに泊まるなら、屋内プールのある定山渓ビューホテルが比較対象になります。こちらは水遊び用おむつで入れるプールがあり、子どもの遊び場としての性格が強い宿です。

洞爺湖側で温泉と食事の両方を重視するなら、乃の風リゾートに実際に泊まったときのレビューも参考になります。

参考文献
- 家族混浴できる大露天風呂の宿 層雲峡観光ホテル 公式サイト
- 層雲峡観光ホテル 公式サイト|温泉
- 層雲峡観光ホテル 公式サイト|よくあるご質問
- 層雲峡観光ホテル 公式サイト|アクセス
- 層雲峡観光ホテル 公式サイト|客室
※ 公式サイトの記載内容は2026年8月12日時点で確認したものです。
