赤ちゃん連れで温泉旅館を探していると、最後に必ず突き当たるのが「大浴場に入れるのか」という問題です。多くの宿は、おむつが取れていない子の湯船利用を断っています。せっかく温泉に来たのに、部屋のユニットバスで済ませることになった——という話は珍しくありません。
この壁を越える方法は2つあります。ひとつは客室に風呂が付いた部屋を取ること。もうひとつは、そもそも赤ちゃんの入浴を想定している宿を選ぶことです。後者はぐっと数が減りますが、見つかれば宿泊費を抑えたまま温泉を楽しめます。
静岡県東伊豆町の「稲取温泉 稲取銀水荘(いなとりぎんすいそう)」は、公式サイトのよくある質問で赤ちゃんの大浴場利用について明確に「ご利用いただけます」と回答している宿です。この記事では、公式サイトに記載されている情報だけをもとに、子連れで泊まる前に知っておきたいことを整理しました。
- 赤ちゃんの大浴場利用と、脱衣所に置かれている備品
- 貸切風呂がないという前提と、その代わりになる選択肢
- 混浴が何歳まで可能か
- 離乳食・ベビーフードの扱い(館内に電子レンジはありません)
- 夏のプールと、水遊び用おむつのルール
- 客室タイプと、送迎バスを含めたアクセス
なお、料金やサービス内容は改定されることがあります。予約前には必ず稲取銀水荘の公式サイトでご確認ください。本記事は2026年8月時点で公式サイトに記載されていた内容にもとづいています。
稲取銀水荘とはどんな宿か
稲取銀水荘は、静岡県賀茂郡東伊豆町稲取にある温泉旅館です。公式サイトでは「政府登録国際観光旅館」と表記されており、施設概要によると客室数は101室、うち露天風呂付き客室が17室です。
チェックインは14:00、チェックアウトは10:00で、露天風呂付き客室のみ11:00と記載されています。駐車場は約80台分あり無料です。
公式サイトは客室について「全室オーシャンビュー」と説明しており、眼前に相模灘が広がる立地です。館内はメインロビーと売店が1階、大浴場・露天風呂が2階、客室が3階から10階という構成で、最上階の9〜10階はエグゼクティブフロア「銀の栞」にあてられています。
駅からのアクセスは、伊豆稲取駅との間を送迎バスが結んでいます。所要時間は約5分で、予約は不要と明記されています。到着の迎えは13:00〜19:00、うち13:00〜17:00は電車の到着時間に合わせて運転手が稲取駅の改札前で待機しているとのことです。ホテル発の便は8:20から11:15まで9本設定されています。
子連れで稲取銀水荘を検討するときの5つのポイント
① 赤ちゃんも大浴場に入れる。脱衣所の備品が充実している
公式サイトの温泉ページに置かれたよくある質問で、「赤ちゃんもいっしょに大浴場に入れますか?」という問いに対し「ご利用いただけます」と明記されています。おむつが取れていない子を断る宿が多いなかで、これはかなり明確な回答です。
さらに、男女とも脱衣所に次の備品が用意されていると記載されています。
- ベビーベッド
- ベビーチェア
- ベビーバス
- おむつペール(おむつ用ゴミ箱)
- ベビーソープ
- シャワーチェア(介護用風呂イス)
注目したいのはベビーバスです。公式サイトには「大きな湯船をご利用の際に不安がある場合はベビーバスをご利用くださいませ」と書かれています。まだ湯船に浸けるのが不安な月齢でも、脱衣所や洗い場でベビーバスを使って洗ってやれるということです。
ただし、いずれも数に限りがあり譲り合っての利用と注記されています。混雑する時間帯には使えない可能性があるため、時間をずらす前提で考えておいたほうがよいでしょう。
大浴場・露天風呂の利用時間は5:00〜9:30と11:30〜25:00で、男女入れ替えはありません。露天風呂は大浴場に併設されたオーシャンビューで、2022年12月に寝湯が新設されたと記載されています。サウナは7:00〜9:30と14:00〜21:00で、水風呂も備わっているとのことです。
② 貸切風呂・家族風呂はない
ここははっきりしています。公式サイトのよくある質問には「申し訳ございませんが、貸し切り風呂・家族風呂の施設はございません。大浴場・露天風呂にてお楽しみください」と回答されています。
子連れで温泉旅館を選ぶとき、貸切風呂の有無を重視する家庭は多いはずです。稲取銀水荘にはその選択肢がありません。代わりになるのは、大浴場を使うか、露天風呂付きの客室を取るかの2択です。
その意味で、この宿は「大浴場に赤ちゃんを連れて入れる」という前提が成立しているからこそ成り立っている構成だと言えます。人目が気になる、あるいは子どもが大浴場で騒ぎそうという懸念があるなら、露天風呂付き客室を検討することになります。
③ 混浴は6歳まで。7歳以上は性別ごとの浴場へ
意外と見落としがちなのが、上の子の混浴ルールです。公式サイトには「6歳までのお子様(小学生未満)は混浴を認めております。7歳(小学生)以上のお子様の混浴は禁止させていただいております」と明記されています。
つまり、7歳以上の男の子は男性浴場、7歳以上の女の子は女性浴場を使う必要があります。上の子が小学生で下の子が赤ちゃんという家族構成の場合、大人の入浴を交代制で組む必要が出てきます。旅程を組む前に確認しておきたい点です。
④ 館内に電子レンジはない。ただしベビーフードの温めは対応
公式サイトの交通案内ページにあるよくある質問で、電子レンジについて「申し訳ございませんが客室・館内にはご準備しておりません。ベビーフードの温め等は対応させていただきますのでお申し付けください」と回答されています。
自分で温める設備はないものの、頼めば対応してもらえるということです。ただし離乳食そのものを宿が用意しているかどうかについては、公式サイトに記載を見つけられませんでした。提供の有無は予約時に確認するのが確実です。
あわせて、飲食物の持ち込みについては「衛生上お断りをいたしております」と記載されています。ベビーフードや粉ミルクがこの対象になるかは明記されていないため、持参する予定があるなら、こちらも予約時に伝えておいたほうが安心です。
幼児以上向けには、公式サイトの料理ページで小学生向け・幼児向けそれぞれのメニューが用意されていると紹介されています。単品で頼めるアラカルトメニューもあるとのことです。
離乳食を持参する場合、月齢に対してどの段階のものを持っていくべきかは事前に整理しておくと安心です。時期ごとの目安は別記事にまとめています。

⑤ 夏のプールは、水遊び用おむつでは入れない
屋外プールは夏季のみの営業で、利用時間は9:00〜17:00と記載されています。宿泊者専用で、立ち寄りでの利用はできません。
子連れで重要なのは、公式サイトのよくある質問にある次の回答です。「赤ちゃんが水遊び用オムツをつけてのプールの利用は可能ですか?」に対し「ご遠慮いただいております。足をつける等であれば可能です」と書かれています。
つまり、おむつが取れていない子はプールに入れません。足をつける程度は認められていますが、水遊びを目的にするなら期待しすぎないほうがよいでしょう。夏の宿泊を検討している場合、この点は事前に把握しておく価値があります。
なお、刺青・タトゥーがある方は大浴場(露天風呂)・プールともに利用できないと明記されています。タトゥーを模したペイントやシールも対象です。
客室タイプの選び分け
公式サイトの客室ページには、27㎡のツインルームから135㎡のインペリアルスイートまで幅広いタイプが並びます。子連れの視点で見ると、押さえるべきは「露天風呂が付いているか」と「布団かベッドか」の2軸です。
一般客室の和室(布団・約45〜77㎡)
スタンダード和室Aは約45㎡で1〜5名、和室Bは約52㎡で2〜7名、次の間付和室は約77㎡で2〜9名と記載されています。いずれも布団で、バス・トイレ付きです。
こんな人におすすめ:
- ベッドからの転落が心配な月齢の子がいる家庭
- 祖父母を含めた三世代で1部屋に泊まりたい家庭
- 宿泊費を抑えつつ大浴場を使いたい家庭
布団は床に敷くため、寝返りやつかまり立ちの時期でも転落の心配がありません。赤ちゃんが大浴場に入れることを前提にすれば、部屋に露天風呂がなくても温泉は十分に楽しめます。
ラグジュアリースイート(露天風呂付・4〜6階/72〜113㎡)
4階と6階に配置された露天風呂付きの客室群です。公式サイトによると、6階の「茜」は112.6㎡のユニバーサルスイートでベッド4台・2〜4名、4階の「しぶき」「みそら」は72〜73㎡でベッド2台+デイベッド・2〜3名です。食事はダイニング食と記載されています。
こんな人におすすめ:
- 大浴場に子どもを連れて行くのが不安な家庭
- 子どもを寝かせたあとに部屋で温泉に入りたい家庭
- 人目を気にせず入浴したい家庭
ベッドの部屋になるため、低月齢の子は転落対策を自分で考える必要があります。
エグゼクティブフロア「銀の栞」(露天風呂付・9〜10階/54〜135㎡)
最上階に配置された8室です。公式サイトによると、10階の「雅楽」は135㎡でベッド2台+布団・2〜5名、9階の「くれない」は100㎡で同じくベッド2台+布団の構成です。多くがお部屋食と記載されている点が他のフロアと異なります。
こんな人におすすめ:
- 食事を部屋で済ませたい家庭(子どもが食事会場で騒ぐのが心配な場合)
- ベッドと布団を併用したい家庭
部屋食かどうかは、赤ちゃん連れの旅行では食事会場の心配がなくなるという意味で大きな差になります。ただし部屋タイプによってはダイニング食のものもあるため、予約時に確認してください。
設備・ルールの比較表
| 項目 | 公式サイトの記載 |
|---|---|
| 赤ちゃんの大浴場利用 | 可能。脱衣所にベビーベッド・ベビーバス等あり(男女とも) |
| 貸切風呂・家族風呂 | なし |
| 混浴 | 6歳(小学生未満)まで。7歳以上は不可 |
| 大浴場・露天風呂 | 5:00〜9:30/11:30〜25:00(男女入れ替えなし) |
| サウナ | 7:00〜9:30/14:00〜21:00。水風呂あり |
| 泉質 | ナトリウム・カルシウム-塩化物泉(低張性 弱アルカリ性 高温泉)。自家源泉 |
| 電子レンジ | 館内になし。ベビーフードの温めは対応可 |
| 離乳食の提供 | 公式サイトに記載を確認できず(要問い合わせ) |
| 子ども用浴衣 | 幼児・小人用の用意あり |
| プール | 夏季のみ9:00〜17:00。水遊び用おむつでの利用は不可 |
| ペット | 館内同伴不可。敷地内のペット専用宿泊施設は4,400円/5,500円(ケージサイズ別・事前予約制) |
| チェックイン/アウト | 14:00/10:00(露天風呂付客室は11:00) |
| 駐車場 | 約80台・無料 |
| 送迎バス | 伊豆稲取駅間を約5分。予約不要 |
※公式サイトの温泉・施設案内・交通案内・客室の各ページから抜き出したものです。最新の内容は公式サイトでご確認ください。
表示は選んだ日程・人数での滞在合計(最安)です(税込・各社の表示基準)。 楽天トラベルは1泊ずつの最安を合計しているため、1つのプランで通して予約した場合の金額とは異なることがあります。 子どもの料金は年齢帯(未就学児は食事・布団の要不要、小学生は学年)で大きく変わるため、 上で選んだ内訳をもとに計算しています。Agoda は区分ごとの代表年齢で計算した目安です。 実際の年齢や宿・プランの扱いによって金額が変わることがあるため、最終的な金額はリンク先でご確認ください。 料金と空室はリンク先の表示が最新です。
予約前に確認しておきたいこと
食物アレルギーは「微量でも重篤」なケースには対応できない
公式サイトの料理ページには、食品アレルギーについて事前に相談があれば可能な範囲でアレルゲンを除去した料理を提供するとしたうえで、「厨房・調理器具・食器等はアレルギー食材を区別して使用しませんので、微量でも重篤な症状を引き起こす可能性がある場合には対応できません」と明記されています。
朝食ビュッフェについては、料理の前に9品目(卵・乳・蕎麦・小麦・大豆・くるみ・落花生・海老・蟹)の使用有無を表示しているものの、記載のない特定原材料が含まれていないことを保証するものではないと注記されています。
該当する場合は自己判断で進めず、かかりつけの小児科に相談したうえで宿に伝えてください。気になる症状があれば小児科を受診してください。
ペットは館内に入れない
公式サイトには、ペットを館内に同伴することはできないと明記されています。敷地内にペット専用の宿泊施設があり、ケージサイズによってMケージ4,400円(税込)、Lケージ5,500円(税込)と記載されています。食事やトイレ用品は持参が必要で、事前予約制です。
身体障害者補助犬法に定められた補助犬については、宿泊および館内での飲食に同行して問題ないとしたうえで、事前に知らせてほしいと案内されています。
売店とラウンジの営業時間は途中で切れる
売店の営業時間は8:00〜11:00と13:30〜19:00で、昼の時間帯が空きます。1階ラウンジ「志津摩」も9:00〜11:00と13:30〜16:00です。6階のラウンジ「濤の音」は宿泊者のみが滞在中いつでも利用できると記載されています。
自動販売機は3階〜7階の各客室フロアにあります。館内で必要なものを買おうとしたときに時間帯で買えないことがあるため、おむつやミルクなどの消耗品は持参が前提です。
よくある質問
Q. おむつが取れていない赤ちゃんでも大浴場に入れますか?
入れます。公式サイトのよくある質問に「ご利用いただけます」と明記されており、男女とも脱衣所にベビーベッド・おむつペール・ベビーソープ・ベビーシャワーチェア・ベビーバスが用意されていると記載されています。ただし数に限りがあるため、譲り合っての利用を求められています。
Q. 貸切風呂はありますか?
ありません。公式サイトに「貸し切り風呂・家族風呂の施設はございません」と明記されています。人目を気にせず入浴したい場合は、露天風呂付きの客室を選ぶことになります。
Q. 子どもの混浴は何歳まで可能ですか?
6歳(小学生未満)までです。公式サイトには、7歳(小学生)以上の混浴は禁止しており、7歳以上の男児は男性浴場、7歳以上の女児は女性浴場を利用するよう記載されています。
Q. 離乳食やベビーフードは温めてもらえますか?
温めてもらえます。公式サイトには、客室・館内に電子レンジはないものの「ベビーフードの温め等は対応させていただきますのでお申し付けください」と記載されています。ただし宿が離乳食そのものを提供しているかについては記載を確認できませんでした。必要な場合は予約時に問い合わせてください。
Q. 赤ちゃんは水遊び用おむつでプールに入れますか?
入れません。公式サイトのよくある質問に「ご遠慮いただいております。足をつける等であれば可能です」と記載されています。プールは夏季のみの営業で、利用時間は9:00〜17:00です。
Q. 駅からの送迎はありますか?
あります。伊豆稲取駅との間を送迎バスが約5分で結んでおり、予約は不要です。到着の迎えは13:00〜19:00で、13:00〜17:00は運転手が稲取駅の改札前で待機しています。17:00〜19:00は駅に着いてから連絡する運用です。ホテル発は8:20から11:15まで9本あります。
Q. 子ども用の浴衣はありますか?
あります。公式サイトによると、大人用は身長140cm〜190cmまで5cm刻みで用意され、幼児・小人用の浴衣もあると記載されています。詳しいサイズは当日申し付ける運用です。なお、大人用・子ども用ともに作務衣や甚平の用意はないとのことです。
まとめ
公式サイトから確認できたことを整理します。
- 赤ちゃんも大浴場に入れると明記。脱衣所にベビーベッド・ベビーバス・おむつペール等(男女とも・数に限りあり)
- 貸切風呂・家族風呂はない。人目を避けたいなら露天風呂付き客室
- 混浴は6歳まで。7歳以上は性別ごとの浴場へ
- 館内に電子レンジはないが、ベビーフードの温めは対応可
- 離乳食の提供有無は公式サイトで確認できず
- プールは夏季のみ。水遊び用おむつでの利用は不可
- 客室101室(うち露天風呂付き17室)。和室は布団のため転落の心配が少ない
- 伊豆稲取駅から送迎バスで約5分・予約不要
この宿の子連れ視点での価値は、ほぼ一点に集約されます。赤ちゃんを大浴場に連れて入れるということです。おむつの子の湯船利用を断る宿が多いなか、脱衣所にベビーバスやおむつペールまで置いて受け入れる姿勢を明示している宿は多くありません。露天風呂付き客室を取らなくても温泉を楽しめるという意味で、宿泊費の面でも効いてきます。
一方で、貸切風呂がないことは明確なトレードオフです。他の宿泊客と同じ湯船に子どもを入れることになるため、騒いでしまいそうな年齢の子がいる場合は気を遣うことになります。また、夏に水遊びを期待して行くと、水遊び用おむつでプールに入れない点で当てが外れます。「温泉に一緒に入る」ことを目的にするなら強く、「子どもを遊ばせる」ことを目的にすると弱い宿だと整理できます。
この記事は公式サイトに掲載されている情報をもとに構成しています。実際に泊まった際には、体験にもとづく内容を追記する予定です。
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同じ伊豆エリアでは、一棟貸しの宿に実際に泊まったレビューがあります。大浴場を他の客と共有せず、貸切で使える形を探している方はこちらも比較対象になります。

赤ちゃん連れで温泉旅館に泊まったときの、食事や部屋の様子を具体的に知りたい方には、島根の宿のレビューが参考になります。

逆に、防水おむつでも大浴場に入れないと明記している宿もあります。洲本温泉のホテルニューアワジです。ルールが正反対なので、並べて見ておくと自分の子の月齢でどちらを選ぶべきか判断しやすくなります。

同じ静岡でも、熱海の夢いろははもっと小さな宿です。貸切露天風呂は45分・完全予約制で、駐車場は7〜8台。稲取銀水荘のような大型旅館とは、車の停め方から風呂の取り方まで前提が変わります。

参考文献
※本記事の情報は2026年8月時点の公式サイト掲載内容にもとづきます。最新の料金・サービスは公式サイトでご確認ください。
