子連れで宿を探していると、途中から「旅館ではないほうがいいのでは」と思い始めることがあります。食事の時間が決まっていて、大浴場には入れず、夜泣きで隣の部屋に気をつかう。それなら一棟貸しやコンドミニアムのほうが、結局は気楽なのではないか、という発想です。
Rakuten STAY VILLA 富士河口湖の森は、まさにその選択肢に当たる施設です。5棟全15室のメゾネットコンドミニアムヴィラで、全室にドライサウナと人工温泉の浴室、IHシステムキッチンが備えられています。河口湖駅から車で約10分の立地です。
この記事では、公式サイトの公開情報をもとに、この施設が子連れ・犬連れにとってどういう条件なのかを整理します。公式に書かれていない項目も、そのまま挙げます。無人チェックインの施設は、聞ける相手が現地にいない前提で準備する必要があるからです。
なお、料金やスペックは改定されることがあります。予約前には必ず公式サイトでご確認ください。
この記事で分かること
- 全室に付いている設備(ドライサウナ・人工温泉の浴室・IHキッチン)
- 「人工温泉」と天然温泉の違いと、それが子連れにどう効くか
- 無人チェックインの仕組みと、子連れで気をつけること
- ペットフレンドリールームの条件(頭数と犬種)
- 公式に記載がなく、予約前に確認したほうがよい項目
施設の基本:5棟15室のメゾネットヴィラ
公式サイトによると、この施設は「5棟全15室のメゾネットコンドミニアムヴィラ」で、客室は2タイプ。最大10名または8名まで宿泊できるとされています。
メゾネットというのは、客室のなかに階段があり、2層構造になっている造りのことです。子連れで考えると、これは良い面と悪い面が両方あります。寝室と生活空間を分けられるのは大きな利点ですが、つかまり立ちやハイハイの時期の子には階段そのものが危険です。
階段にゲートがあるかどうかは公式サイトに記載がありません。歩き始めの子を連れて行くなら、ここは必ず確認してください。自宅で使っているようなベビーゲートは持ち運べないので、「階段の下で寝かせる」といった配置の工夫で対応することになります。
最大10名という定員は、二世帯や友人家族との合同旅行を想定できる規模です。子どもが複数いる家庭で、大人の手が多いほうが助かる場面では有利に働きます。
全室に付いているもの:サウナ・人工温泉・キッチン
① 浴室は「人工温泉」。天然温泉ではない
公式サイトは、全室に「人工温泉の浴室」を備えると記載しています。半露天またはスカイビューの様式があるとされています。
ここは正直に書いておきます。人工温泉は、温泉法上の天然温泉とは別のものです。「富士山の近くの温泉宿」を期待して予約すると、認識がずれます。
ただし、子連れという視点だけで見れば、人工温泉であることのマイナスは小さいと考えられます。そもそも赤ちゃん連れは、多くの宿で大浴場に入れないからです。客室に浴槽があって家族だけで湯に入れるという条件のほうが、泉質より優先度が高い場面は少なくありません。
肌が敏感な子の場合、成分の入った湯が合うかどうかは個人差があります。湿疹や肌トラブルが出ている状態なら無理に入れず、気になる症状があれば小児科を受診してください。
② ドライサウナが全室に付いている
公式サイトによると、ドライサウナは全室に完備されています。これは大人にとってはかなり贅沢な条件ですが、子連れの場合は使い方を考える必要があります。
小さな子どもをサウナに入れることは、体温調節の機能が未熟なため一般的に推奨されません。大人が交代で入る、子どもが寝てから入る、という運用が現実的です。客室内にあるぶん、時間を選べるのはむしろ利点です。
③ IHシステムキッチンとホットプレート
全室にIHシステムキッチンが備えられており、BBQ用のホットプレートも備え付けと記載されています。
キッチンがあるということは、離乳食を作れる・温められるということです。レトルトのベビーフードを湯せんする、取り分け用に野菜をやわらかく煮る、といったことが部屋でできます。離乳食の提供がない宿でも、キッチンがあれば困りません。
離乳食の月齢別のかたさや量の目安は、別記事で整理しています。旅行先で何をどこまで作るか決めるときの参考になります。

キッチンまわりの備品も公式サイトに一覧があります。調理器具一式・食器一式・カトラリーセットに加え、炊飯器、オーブンレンジ、電気ケトルが全室にそろっています。電気ケトルがあるので調乳のお湯は部屋で用意できますし、レンジがあればベビーフードの温めも困りません。
ただし子ども用の食器・カトラリーについては記載がありません。哺乳瓶の消毒設備も同様です。調味料の用意もないと明記されているので、取り分けで味を調えるつもりなら少量を持参してください。
もうひとつ、子連れで効くのがドラム式洗濯乾燥機と洗濯用洗剤が全室にあることです。食べこぼしやおむつ漏れで着替えが尽きるのは、子連れ旅行でよくある詰まり方です。洗って乾かせるなら、持っていく服の枚数をそのぶん減らせます。
共用エリア:屋外に切り株遊具、共用棟に室内遊具
子連れでコンドミニアム型の施設を選ぶとき、いちばん心配なのは「部屋にこもりきりになる」ことです。この施設には、その受け皿になる共用エリアがあります。
公式サイトによると、屋外にはハンモック、ハンギングソファ、切り株遊具があり、「自然を感じながら自由に遊べるスペース」と説明されています。共用棟には電気暖炉とソファが置かれ、写真には子ども向けの室内遊具も写っています。天気が崩れた日に行ける場所が部屋の外にもある、という意味では心強い構成です。
ただし、共用棟の利用時間や、遊具の対象年齢については記載がありません。ベビーコーナーやおむつ替え台にあたる設備も見当たりません。歩き始めの子の遊び場としてあてにできるかどうかは、確認しておくほうが確実です。
食事:食材は部屋の冷蔵庫。調理は自分でする
この施設の食事は、レストランで供されるものではありません。公式サイトによると、プランの食材が部屋の冷蔵庫にセットされ、調理は宿泊者自身が行う方式です。「炊飯や加熱など、必要な調理はお客様ご自身で行っていただく」と明記されています。
| プラン | 公式サイトの記載 |
|---|---|
| BBQ | 肉・魚介・野菜・調味料まで冷蔵庫にセット。備え付けのホットプレートで調理。肉は1人300g(牛はA4〜A5等級) |
| すき焼き | 国産牛リブロースA4〜A5等級を1人200g。卵・野菜・豆腐・しらたき・米つき。深型ホットプレートを使用 |
| 朝食 | フレンチトーストとスムージー。フレンチトーストは備え付けのフライパンで自分で焼く |
子連れで考えると、これは大きな分かれ目です。食事の時間に縛られないのは利点で、子どもが寝てから大人だけで食べる、先に子どもに食べさせる、といった組み方が自由にできます。BBQをウッドデッキでやるなら、子どもが多少騒いでも周囲に気をつかわずに済みます。
一方で、子どもを見ながら大人が調理する必要があります。旅館のように座っていれば料理が出てくる形ではありません。ホットプレートやIHの周りに小さい子がいる状況をどう回すかは、行く前に役割を決めておいたほうがよいでしょう。
なお、食事プランにはアレルギー情報のページが用意されています。子どもに食物アレルギーがある場合は、予約前にそちらで原材料を確認してください。自己判断で進めず、かかりつけの小児科に相談したうえで宿にも伝えるのが安全です。
無人チェックイン:フロントに人がいない
公式サイトによると、この施設は無人チェックイン制度を導入しており、スマートロックで「事前にご案内している暗証番号で解錠し入室」する形式です。
子連れでは、これは両面あります。チェックインの列に並ばずに済み、子どもがぐずっていても待たされないのは明確な利点です。到着時間に厳密に縛られにくいのも助かります。
一方で、現地で困ったときにすぐ聞ける相手がいません。ベビーベッドを追加で頼む、子ども用の食器を借りる、といったその場の相談が難しい可能性があります。必要なものは予約の段階で確定させておくのが確実です。
また、暗証番号が事前に案内されるということは、その連絡を確実に受け取れる状態にしておく必要があります。当日に慌てないよう、出発前に到着後の手順を確認しておいてください。
犬連れの条件:15室のうち6室がペットフレンドリールーム
公式サイトによると、ペットフレンドリールームは6室あり、「小・中・大型犬2頭まで宿泊可能」とされています。
| 項目 | 公式サイトの記載 |
|---|---|
| ペット可の部屋数 | 6室(全15室のうち) |
| 頭数 | 2頭まで |
| 犬種・サイズ | 小型犬・中型犬・大型犬 |
大型犬まで受け入れていて、しかも2頭まで可というのは、犬連れの宿としては条件が緩いほうです。ただしペット可の部屋は全体の4割程度しかないため、繁忙期は先に埋まると考えたほうがよいでしょう。
表示は選んだ日程・人数での滞在合計(最安)です(税込・各社の表示基準)。 楽天トラベルは1泊ずつの最安を合計しているため、1つのプランで通して予約した場合の金額とは異なることがあります。 子どもの料金は年齢帯(未就学児は食事・布団の要不要、小学生は学年)で大きく変わるため、 上で選んだ内訳をもとに計算しています。Agoda は区分ごとの代表年齢で計算した目安です。 実際の年齢や宿・プランの扱いによって金額が変わることがあるため、最終的な金額はリンク先でご確認ください。 料金と空室はリンク先の表示が最新です。
犬用の備品は公式サイトに一覧があります。ペットケージ、フードボウル、トイレシート、ウェットティッシュ、消臭剤、エチケット袋、虫除け、ペットソファで、これらはペットフレンドリールーム(D01〜D03、E01〜E03)のみの用意と注記されています。ウッドデッキには外水栓もあり、散歩から戻ったあとの足洗いに使えます。
一方でドッグランについては記載がありません。同ブランドの鬼怒川リバーサイドにはプライベートドッグランがありますが、ここにあるのは「ペットとも遊べるウッドデッキ」です。走り回れる囲いのある場所を期待しているなら、ここは認識を合わせておいてください。
アクセス:河口湖駅から車で約10分
公式サイトによると、河口湖駅から車で約10分の位置にあります。住所は山梨県南都留郡富士河口湖町船津5636-1です。施設は2022年4月に開業し、森林体験をコンセプトにしています。
「車で約10分」ということは、駅から歩ける距離ではないということです。電車で行くならタクシーか、事前に手配した移動手段が要ります。無人チェックインの施設なので、駅からの送迎があるかどうかは予約時に確認しておいてください。
また、キッチン付きの施設に泊まる以上、食材の買い出しをどこでするかは先に決めておいたほうがよいでしょう。周辺の店舗情報については公式サイトの案内を確認するか、現地に着く前に調べておくのが確実です。
車で行くなら、公式サイトはマップコード「161 211 048*77」の登録を案内しています。新宿駅から河口湖駅まで約1時間半、東京駅からは約2時間、渋谷駅からは約2時間10分という所要時間も記載されています。
周辺の主な施設までの距離は次のとおりです。子連れの行き先を組むときの目安になります。
- 富士急ハイランド:車で約5分
- 富士山パノラマロープウェイ:車で約10分
- 新倉山浅間公園:車で約12分
- 富岳風穴:車で約16分
富士急ハイランドまで車で5分というのは、上の子がいる家庭には効く条件です。閉園まで遊んでから宿に戻っても、移動で消耗しません。
同じ Rakuten STAY VILLA の別施設と比べる
Rakuten STAY VILLA は、全国に複数の施設を展開しているブランドです。共通しているのは、コンドミニアム型で全室に浴室があり、キッチンが付いているという構成です。
一方で、施設ごとに設備の中身はかなり違います。鬼怒川リバーサイドには天然温泉の浴室があり、客室にキッズボウルやキッズ用カトラリーが備えられ、すべり台やネット遊具のある客室、シアタールームのある客室が用意されています。犬用にはプライベートドッグランや足湯、足洗い場があります。
つまり、同じブランド名でも「子ども用の備品があるか」は施設ごとに確認が必要だということです。鬼怒川リバーサイドについては、設備の中身を別記事にまとめています。ブランドの基本的な使い勝手をつかむ参考になります。

予約前に確認しておきたい項目
公式サイトを読んでも分からなかった項目です。無人チェックインの施設は現地で聞けないため、ここを埋めてから予約するかどうかを決めてください。
- 子どもの宿泊料金と、添い寝が何歳まで無料か
- ベビーベッド・ベビーガード・子ども用食器の貸出があるか
- メゾネットの階段にゲートを設置できるか
- 客室の人工温泉の浴室に、おむつが取れていない子を入れてよいか
- 共用棟・屋外遊具の利用時間と対象年齢
- 駅からの送迎の有無と、買い出しができる店の位置
- チェックイン・チェックアウトの時刻
赤ちゃんの寝床をどう組むかは、貸出品の有無が分かってからでないと決められません。ベビーベッドをいつまで使うか、布団への切り替えの考え方は別記事にまとめています。

よくある質問
Q. 温泉は天然温泉ですか?
A. 公式サイトの表記は「人工温泉の浴室」です。温泉法上の天然温泉とは別のものになります。半露天またはスカイビューの様式があると記載されています。
Q. サウナは全室に付いていますか?
A. 公式サイトによると、全室にドライサウナが完備されています。ただし小さな子どもは体温調節の機能が未熟なため、サウナの利用は大人が交代で行う運用が現実的です。
Q. 離乳食は作れますか?
A. 全室にIHシステムキッチンがあり、調理器具一式・食器一式・炊飯器・オーブンレンジ・電気ケトルが備えられているため、調理も温めもできます。ただし子ども用の食器・カトラリーと哺乳瓶の消毒設備については公式サイトに記載がないため、必要なものは持参してください。
Q. ベビーベッドは借りられますか?
A. 公式サイトに記載がありません。無人チェックインの施設のため現地での相談が難しい可能性があります。必要な場合は予約前に確認してください。
Q. 犬は何頭まで泊まれますか?
A. 公式サイトによると、ペットフレンドリールームは6室あり、小・中・大型犬あわせて2頭まで宿泊可能とされています。
Q. チェックインはどうやってしますか?
A. 無人チェックイン制度が導入されており、スマートロックを事前に案内された暗証番号で解錠して入室する形式です。フロントでの対面手続きはありません。
Q. 定員は何名ですか?
A. 公式サイトによると、客室は2タイプあり、最大10名または8名まで宿泊できるとされています。5棟全15室のメゾネットコンドミニアムヴィラです。
Q. 河口湖駅から歩けますか?
A. 公式サイトの案内は「車で約10分」です。徒歩でのアクセスは想定されていないため、タクシーか自家用車、レンタカーでの移動になります。
まとめ:設備は強い。ただし情報が少ない
- 5棟全15室のメゾネットコンドミニアムヴィラ。最大10名または8名
- 全室にドライサウナ、人工温泉の浴室、IHシステムキッチンを完備
- 温泉は人工温泉。天然温泉ではない
- 無人チェックイン・スマートロック方式
- ペットフレンドリールームは6室、小・中・大型犬2頭まで
- 子ども料金・ベビー用品・犬用備品は公式に記載がないため要確認
この施設の強みは、客室の中で完結できることです。風呂もサウナもキッチンも部屋にあるので、大浴場のルールにも食事の時間にも縛られません。赤ちゃん連れが宿で不自由する原因の多くは、この2つに集約されます。
弱点は、子連れ向けの情報が公開されていないことです。子ども料金も、ベビーベッドの有無も、階段の安全対策も、公式サイトからは読み取れませんでした。無人チェックインで現地に聞ける相手がいないぶん、事前の確認の重要度が上がります。
設備で選ぶなら候補に入る施設です。ただし、月齢の低い子を連れて行くなら、確認項目を潰してから予約したほうが確実です。「行ってから何とかする」が効きにくいタイプの宿だからです。
この記事は公式サイトおよび運営会社の公開情報にもとづく事実の整理です。料金・設備は改定されることがあるため、予約前には必ず公式サイトと施設への直接確認をお願いします。
あわせて読みたい
犬を連れて出かけるときの持ち物と必要書類、移動手段別の準備をまとめた記事です。ペットフレンドリールームを取る前に、荷物の見当をつけておけます。

参考文献
- Rakuten STAY VILLA 富士河口湖の森 公式サイト
- Rakuten STAY VILLA 公式サイト
- 楽天グループ株式会社|「Rakuten STAY VILLA 富士河口湖の森」オープンに関するニュースリリース
※ 公式サイトの記載内容は2026年8月11日時点で確認したものです。
